
いであつしの 『モードの鼻毛mini』
Vol.9 ひと夏のクールビズ特需
というわけで今年の夏は、小池元環境相のツルの一声で世のサラリーマンはクールビズに大慌てした夏であった。忙しかったのはサラリーマンたちだけではない。もっと忙しかったのがファッションの業界に携わってる人たちである。スタイリストとかファッションコメンテイターとかそういった連中ね。
もうね、メンズ雑誌とかで仕事してるスタイリストなんてのがアータ、この夏はひっぱりダコだったかんね。普段は仕事なんか受けたこともないオヤジサラリーマン向けの雑誌や新聞とかの「クールビズはこう着る」みたいな特集ページで、コメントしたり、スタイリングをコーディネイトしたり。といっても、そこはいつも仕事してるファッション誌じゃないけん。スタイリングのツメが甘い甘い。タカキューとかそのへんで買えるようなメーカーのシャツとかジャケットとかを、アシスタントにチョイチョイっと集めさせて片手間仕事でかる〜くこなしちゃったみたいな。まぁ、スタイリスト連中にとっては、ちょっとしたクールビズ特需でしたね。
すいません、そういってるオレもじつはクールビズ特需をあやかっちゃったクチでして。週刊文春で綿谷画伯と組んで「クールビズマンガ」なんていうお仕事をやっちゃいました。綿谷画伯なんてアータ、もうあっちこっちから「クールビズ」を描いてくれって依頼がきてクールビズ特需で大忙しの夏だったらしい。
しかしクールビズ特需の仕事をしてよぅくわかったのだが、結局、服なんてまったく興味ない人には何をどんなに言ったってダメ。無理。効かない。変わらない。諦めてくれ。たとえどんなに雑誌やテレビでスタイリストが「襟元はボタンダウンシャツなどを合わせて表情を持たせましょう」だとか「ズボンはノータックをジャストをはきましょう」だとかアドバイスをしようが、綿谷画伯がイラストで懇切丁寧に着こなしの基本の基を描いて教えようが、この国は服に興味がある人と全然ない人の二種類しかいないのである。だからクールビズなんてどうでもいいのっ。やりたい人だけがやればいいのっ。大きなお世話だっちゅーの。ほっといてくれ。それでいいのだ。え、冬は今度はウォームビズだってか?また特需があればいいなぁ〜。(2005.9)