いであつしの 『モードの鼻毛mini』
Vol4 近所の業界プール、最後の夏
ウチから歩いてすぐの公園にある区営プール。毎年夏になると、オレは暇さえあればここに通っている。なにしろ300円だかんね。
毎朝9時から2時間入れ替え制で、オレがひとっプール泳いでくるのはいつも平日の11時半からの回。7月の始めのまだ夏休み前なんかアータ、そんな時間に泳いでるのは近所のガイジンとか何やってんだかわかんない怪しい人(オレもそうだけど)だけで、まさに気分はリゾートホテルのプールみたいである。毎年オレはここでシーズン本番に備えてヤキをいれ、ピチピチのポロシャツの似合う日に焼けたレオンオヤジ化を進めるってわけだ。
しかしガキどもが夏休みに入ると、区営プールは一転して連日ファミリープールと化す。毎年オレも小学生の娘を連れて三日に一回は泳ぎに通う。日曜日なんてアータ、親子連れだらけでまるで芋を洗うようだかんね。
そんな状態の近所の区営プールに、去年、一昨年と、なんとあの某セレクトショップのKさん親子が泳ぎに来ていたである。白髪のロンゲだからすぐわかった(トレードマークの眼鏡はゴーグルに代えてたけどね)。失礼とは思いましたが、さっそくこっそり水着はどんなにかすんごいオシャレなものをばはいておられるのか、すかさずチェ〜ック!
なにしろあのKさんだかんね。一昨年の夏にお見かけした時には、南仏風のプッチっぽい柄の派手な競泳パンツ。昨年の夏にお見かけした時は、見ようによってはドリフが相撲コントなんかではくみたいな腿までおおう丈の、純白のいかにもモードっぽい水着でありました。さすがKさん。抜かりなしッ。
とはいえ、そこは親子連れで芋を洗うように込み合う区営プール。南仏のリゾート地のプールでもなければホテルのプールでもないんだかんね。果たしてこれらはTPO的に間違いないんでしょうか。どうなのよ?
もっと気になったのが、区営プールを出た時のKさんの格好。なにせ脱衣所も10円入れて鍵をかければお金が戻ってくるようなとこだかんね。そういうとこに、果たしてKさんはどんな格好でやって来たのであろうか?もちろんそのへんも抜かりなくチェ〜クッ!
かなり着古した10年落ちぐらいの紺色の鹿の子ポロに同じく紺色のかなりアタリが入ったバミューダ丈のパンツ、そして足元はいつものオールデンなんかじゃなくて紺色のビーサン。これが昨年お見かけした際のKさんの区営プール仕様である。いつもオシャレなKさんの普段の格好からはおよそ想像もつかないゆる〜い格好ではあるが、全身紺で揃えたコーディネイトにKさんの意地を見たね。短パンスタイルならばKさんに負けない自信があるオレは、さっそくその年の夏、この格好、パクらせていただきました。
驚くべきことにこの区営プールで目撃したのはKさん親子だけではない。昨年はなんと『ビギン』の「10年選手物語」などでもおなじみのSさん親子も見た。Sさんはパタゴニアのハイビスカス柄のパタロハのサーフショーツを、裾が濡れて腿にベッタリとへばりつくのを始終気にしながら泳いでいた。
ちなみにコレとまったく同じやつをオレも持ってるのだが、はくのはプールじゃなくてもっぱら海水浴の時と決めている。パタゴニアのサーフショーツってのは、これまたTPO的に間違いないんだろうか。どうなのよ?ちなみにオレはプールでは今年も三年モノのナイキの競泳パンツだ。
とまぁ、毎年いろんなことが勉強になるウチの近所の区営プールなのだが、残念なことに今年の夏で閉鎖になってしまうのだ。今年の夏が最後になってしまった。もうKさんやSさんの水着ファッションも拝見できない。(2004.8)