いであつしの 『モードの鼻毛mini』

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Vol.13 業界パーティ百景

どうも業界のパーティてぇやつが苦手である。会場に知ってる人がいないと(ほとんどいないけど)、もう完全にロンリーブルース状態になっちゃうもんで。でも、ファッション業界のパーティは来てる連中がみんな浮世離れした格好をしてるヤツらば〜っかで、そりゃもう見てるだけでも面白い。だから無理してでもなるべく出席するように心がけている次第でして。そこで最近出席したそういうパーティの模様をちょいとご報告しましょう。
 2006年の暮れに原宿のモントークで開催されたメンズMXのパーティ。このモントークってぇのは、かの有名なインテリアデザイナーの片山正通氏(昔、ビギンのモードの鼻毛でちょこっと怒らせちゃって、どうもぼくは嫌われてるらしい)が手がけたカフェなんだけどさ、もう業界でパーティってやここってくらいよく使われてる。でもここって昔はカフェドロペっていってJUNがやっててソフトクリームがおいしかったんだよねぇ。
 でまぁ、そこでやったわけなんですが、もう東京中のオシャレさんが一斉に集まったってなぐらいの夜だった。店内はオシャレ熱気でムンムン。ちなみにこの日は暮れだというのにあったかくて、モンクレールやらコートやらツイードスーツやらマフラーぐるぐる巻きしてる連中はただでさえ暑いってぇのに、みんなワイングラス片手に汗ビッショリんこ。いやはやホントにご苦労さんなこってす。  
 この日の主役は、魁ファツション男塾の塾長ことYアカミネの赤峰幸生氏と、タケ先生こと菊池武夫氏である。そうです、ズバリ、ぼくの目的はナマ菊池武夫に尽きる。なにしろアータ、オレらの世代は条件反射で菊池武夫ってやぁ傷だらけの天使だかんね。それがナマで見られるってぇんだからヤデウレジヤ。
 そう思って来てたのはぼくだけじゃないみたいで、もう菊池武夫氏の前には、ひと目ナマ菊池武夫を見ようという連中でたいへんな人だかりである。なかにゃあケータイで写真を撮ってるやつまでいやがる。あのね、チミたちは成田空港でヨン様を撮るオバサンかい。
 んで、最近の菊池武夫といえばカンカン帽ね。ポークハットともいう。あのね、あれは菊池武夫が被ってこそカッコイイのに、面白かったのが取り巻き連中も全員が全員カンカン帽を被ってるのだ。しかも傷だらけの天使がやってた頃はまだ生まれてもいない若い小僧ばっかなのよ。なんかみんなまるでモントークの隣りのシェイキーズの店員みたいだった。
 お次は、その一週間後に開催されたビギンの忘年会。これもまた東京中のオシャレ業界人が一斉に集まる。そして毎年ビギンの編集長以下編集部員がその年話題になったことのコスプレ姿でお出迎えするのだ。ちなみに二年前はマツケンサンバ、一昨年は電車男。そして去年は亀田三兄弟であった。ちなみにぼくと画伯の一等賞は、具志堅用高のコスプレをしてたナウアール担当のヒラサワちゃん。チョッチュネ〜、偉いぞ、ヒラサワちゃん!だから年末にカレシと破局したのか?
 さて、ビギンの忘年会といえばビンゴの景品が豪華ということで業界でも有名なのだ。ロレックスにパネライ、グローブトロッターにマッキントッシュ、オールデンにダニエル&ボブ、バージンアトランティックスの英国往復エアチケットなんてぇのまであるのね。でも毎年行ってるけど、ぼくも画伯も一度も当たったためしがない。そしていつもなんでか「おまえに当たってどうする!」というような若僧にそういった景品が当たるのよねぇ。
毎年毎年、ぼくも画伯も、かわいいどっかのプレスのおねえちゃんにマッキントッシュなんか当たると「ウンウン、よかったね当たって」と納得するのだが、スキニーデニムにブーツインしてるやつとかにオールデンとかが当たったりすると「オメェに当たってどうすんだよっ!」といつも怒る忘年会である。
 お次は、去年からijという雑誌の連載でお世話になってる、昔メンクラの編集長だったドアイビー団塊世代な石橋さんの編集プロダクション、ライトカンパニーの忘年会。なんとこの忘年会では、ポパイが1ケタ号時代の黄金期の中心スタッフであったファッションエディターの中須さんと飲めたのだ。
 中須さんといえばアータね、ぼくがまだポパイ小僧で読者だった頃に御供さんと一緒にモデルで出てたりした、かの北村勝彦氏の一番弟子である。元祖東京遊び人の中須さんもすっかり貫禄がついちゃって、最初誰だかわかんなかったんだけど、「おー、いで」と声をかけられてすぐわかった。一応ぼくも若い頃ちょこっとだけポパイ編集部にいた時があるもんで。ちなみにこの日の中須さんの格好はシェツトランドセーターにカーゴパンツで、上にはロクヨンのマウンパ。くぅ〜、ちょっと古いけど王道です。ワイルドシック。二軒目に一緒に行った恵比寿の焼き鳥屋で「コンサバをバカにするなよ!いでっ!」と怒鳴られてしまいました。本物はコワイよ。
 さて、最後は1月
30日に帝国ホテルで開催されたビームス三十周年パーテイ。これはもう場所からしてとにもかくにも盛大なパーテイで、挨拶がマガジンハウスの木滑さんだわ、司会が中井美穂だわと、正直、ファッションウォッチングどころじゃなかったけどね。巨大な三十本のビームスカラーのオレンジのロウソクが立ってる会場にある巨大なスクリーンに、プロジェクトXをパロった設楽社長の一代記が流されたりしたんだけども、オレは帝国ホテルの鮨コーナーで、それどこでなかった。でも面白かったのが、スペシャルゲストの引田天功のイリュージョン。プリンセス天功の胴体切断、人間浮遊、エイリアンの着ぐるみが中に人が入ってないのに動き出すなどなど、会場はラスベガス状態。最後はからっぽのビームスカラーの箱にアザラシのゴマちゃんのぬいぐるみを入れてパッと開くと中から設楽社長が出てきたのであった。
 とまぁいろんなパーテイがあるわけですが、
 でも一番楽しくて必ず出席するのが、毎年、スナックで開催する綿谷画伯主催の忘年会。画伯の師匠の穂積先生をはじめ、メンクラにポパイ、GQにエスクァィアなどなどメンズファッション誌の初代の編集長だった人たちやらぼくみたいなやつらまで、もうメンバーも豪華だよ。みんなコンサバオヤジばっかり。親指で握手して「ちぃーす」なんて業界挨拶も誰もしないしね。もう楽しいったらない。こういうのを正しい忘年会というのだ。(2007.2)

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