[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

 

 いであつしの 『モードの鼻毛mini』

若旦那・いであつしのプロフィールはこちら → 

Vol.10 下北事変

これだけは絶対に買うまい、着まいと思っていたのだが、とうとう下北沢の昔ながらのインポートショップでトラックジャケットを買ってしもうた。最初、アディダスとかのやつにしようかなとも思ったのだが、高校時代年がら年中アディダスのジャージを着ていた身には、やはりあれはツライものがある。というわけでやはりこれだけは着まい、買うまいと絶対に思っていたのだが、現地価格にかなり近い値段だったので、アバクロのやつを買ってしもうた。あーあ、なんかこれ着ると若手お笑い芸人になっちゃうんだよねぇ。
 まぁそれで久しぶりに自転車でちょっくらシモキタに出かけてきたんだけど、いやはや最近のシモキタの変わりようは、長年あそこをホームにしていたアメカジオヤジにとって由々しき問題である。なにしろ、朝日新聞の夕刊の一面にもあと何年後かには小田急線の高架下工事で駅前が整理されてロータリーになっちゃうなんて記事が出たくらいだから。
 でね、もうね最近のシモキタはこじゃれたカフェと古着屋ばっかし。昔よく通ったあのショップもこのショップも、昔ながらのインポートショップなんてアータ、どんどん閉店しまくってるのだ。で、跡地にできてるのはたいてい大手企業チェーンのカフェだとかちょっとこじゃれた古着屋なんだかんねぇ。
 事態はインポートショップだけではない。三年ぐらい前にビギンでわが青春の行き付けの店として紹介した、パスタ屋の「だいこんの花」。あの時、オヤジさんは「打倒
!カフェって書いといてよ」なんて冗談まじりで言ってたのに、なんと店の前を通ったら、ないのだよ、店が…。そうしてそこにできていたのは、なんかこじゃれた、いかにも文化服装学園とか東京モード学園を卒業した生徒が趣味で店持ちましたみたいな、プチ代官山っぽい洋服売ってるショップだよ。なんだそれ!
 
このままでいくと、シモキタも代官山みたいな街になっちゃう日はそう遠くはないぞ。適正価格で頑張ってアバクロを売ってるあの昔っからあるインポートショップも、駅前がロータリーになっちゃったらきっと閉店して跡地にカフェとかできちゃうんだろうなぁ。もうシモキタで昔ながらのアメカジな服は買うことはできなくなってしまうなぁ…。
 その日、オレは駅前の市場の中にあるアメリカ屋のオヤジと、「メイドイン
USAのミラーのTシャツの三枚パックの正しい値段はやはり1500円ぐらいだ」だとか「スペルガのスニーカーのイタリア製でソールのゴムハミシュランで、値段は5千円以上しないこと」などなど、そういった話を延々と語りあったのだった。オヤジさん、最近もうちょっとぼけはじめてきちゃって「このショットの革じゃんは珍しいでしょ」とか、おんなじウンチク話を何回もするんだけど、でもここもなくなるのはもう時間の問題だと思うと、「それ、さっき聞いた」とは、オレにはとても言えなかったよ…。(2005.11)

バックナンバーはこちら