いであつしの 『hibidasu』
◎ それはガマクジラじゃなくてガァバドンだ
某月、某日。練馬の練馬区立美術館でやっていた『高山良策の世界展』という展覧会を見に行ってきた。高山良策は練馬区の上石神井にアトリエを構えて、主にシュールリアリズムの影響を受けていてダリのような作品を描いていた画家だ。
でも高山良策の名が世の中に認められたのはそっちではなくて、食えなくてやってた特撮の造形作家の方にある。実は誰あろうこの人こそが、あの『ウルトラQ』のガラモンや『ウルトラマン』のレッドキングといった昔の円谷プロの怪獣の制作者なんである。
この展覧会でも高山良策が制作した怪獣が何点か展示されていて、モチロン当然、オレのお目当ては絵でなくてこっちである。
会場には、ガラモンを操縦していたセミ人間のマスクや、青色発砲怪獣アボラスと赤色火炎怪獣バニラのマスク、角が欠けてるゴモラのマスク、セブンに出てきたカプセル怪獣ウインダムのマスク、セブンに出てきたポール星人、大魔人のマスク、ケムール人、ガラモン、レッドキング、カネゴン、キングジョー、ギエロン星獣などなどが展示されていて、どれも一目見ただけですぐ名前が出る自分がスゲェー、ていうかコワイ、ていうかオレもまだまだいけるな。
展覧会を見に行ったのが日曜日だったということもあってか、会場には親子連れも多く来ていた。
男の子連れのオレより若いウルトラマン世代のお父さんたちが子供から「パパ、これは何ていう怪獣?」と聞かれて、自慢気に怪獣の名前を教えていたりするのだ。
しかし最近のガキたちは昔のウルトラマンやウルトラQあたりの怪獣もレンタルビデオで見てみんな知っていて、お父さんよりも詳しかったりするのね。逆にお父さんたちはカネゴンやガラモン、レッドキングクラスならばすぐに答えられるのだが、特に難しいのはセブンあたりである。ギエロン星獣やウインダム、ポール星人クラスになると「えーと…、あれ、こんなのいたっけ?」とかなりのお父さんたちが答えられない。
まったく見ていてはがゆくてしょうがない。思わず横から「それはね、ギエロン星獣といってセブンに出てきたヤツですよ、お父さん」と教えてあげたくなってしまったぜ。
また会場には、そういったオレレベルの怪獣オタクたちもけっこう来ていて、こっちのヤツらの会話は聞いていて安心する。
がしかし、2階のウルトラマンやQやセブンの名シーンをパネル展示しているコーナーにいた二人連れの怪獣オタク。セブンに出てきたワイアール星人に写真パネルを一目見て名前がわかるとはかなりの者と見たのだが、ウルトラマンの怪獣のパネルの所で、パネルを見ながら「これって、たしか2回変体するんだよね。何ていうヤツだったっけ?」と一人が言うと、もう一人が「ガマクジラだよ」と答えていたのである。
それは違う!2回変体は合っているが、このパネルの怪獣はガマクジラじゃなくてガァバドンだ!