いであつしの 『hibidasu』
◎ ものすごく近所にできたラーメン屋
某月、某日。近所も近所、ウチから歩いて一分もかからないところにラーメン屋ができた。
そこは前から「いったいこれで商売が成り立っているのだろうか?」と人ごとながらいつも心配していた定食屋だったのだが、ついに店を閉めてしまい、新しくラーメン屋がオープンしたのである。
話はかわるが、僕は夕方のニュースでやってる「行列のできる店!」とか「食べ放題!の店」のコーナーが大好きである。欠かさず見ているのが日テレの『ニュースプラス1』で6時16分頃から始まるやつで、とりわけ中でもレポーターがおぼん・こぼんの時の「一日たった何食!限定メニューの行列のできる店!」が大のお気に入りだ。
おぼん・こぼんが、オープンと同時に行列ができる店の限定ラーメンとかをレポートするのだが、大抵まずおぼんの方が一口すすって「口の中にね、ポワワ〜ンとカツオの香りが広がりますよ」と感動してコメントを言い、続いてこぼんが「ウン、コッテリしているようでいてアッサリしているね」と、常に冷静な口調で麺をすすってコメントする。
ぼくはそれを見るたんびに「ヨシ、近くに行く機会があったら、そのおぼん・こぼんが行ったラーメン屋に行ってみよう!」と思うのだが、行ったためしがない。食べ放題の店然り、いつもTVで見るだけで終わるのである。
さて、ウチの近所にできたラーメン屋なのだが、ここのラーメンはいま流行りの「トンコツしょうゆ味」で、店の外見や雰囲気も、いかにもおぼん・こぼんが来そうな「行列のできる店」風でかなり期待できそうなのだ。
そこでさっそくお昼にちょいと食べに行ってみることにした。果たして、けっこううまかった。そして汗もいっぱいかいた。
しかしながら、ここでぼくは思いましたね。ああいったおぼん・こぼんが来そうなラーメン屋は、あまりにも近所にあるというのもちょっと考えものである。
なにしろウチから歩いて一分もかからない。汗をしこたまかいて食べ終えて店を出ても、もうすぐちょいと家に戻ってタオルで拭きゃいいじゃんな距離なのだ。
やっぱりラーメン屋ってものは、店に置いてあるティッシュや持ってるハンカチでも間に合わないくらいビッショリと瞬間汗をかいて食べ終え、すぐさま店から出ても、「あー、早くこの汗、ひいてくんないかな!」という距離にあった方が風情がある。
それに、いつでも思い立ったらすぐさまラーメンが食えるってのもありがたみがない。
ところでこのものすごい近所にあるラーメン屋、もうそろそろオープンして一か月になるのだが、ちーっとも行列なんかできやしない。これじゃ、おぼん・こぼんは来てくれないな。