いであつしの 『hibidasu』
◎ 孤独
某月某日。
取材で品川プリンスホテルの「ビュッフェレストランハプナ」に出かけてきた。ご存知かと思うが、ここは食べ放題で有名な店である。朝11時からのランチタイムの食べ放題に行ったら、すでにもう何百人もの行列ができていて、整理券まで配っていやがんの。仕方なく整理券をもらったら番号は130番である。どのくらい待たなきゃなんないのかと訊いたら、なんと午後1時半。二時間以上待ってようやく食べ放題にありつけたわけだが、それでつくづく思ったね。やっぱ食べ放題は仕事とはいえ一人でいくもんじゃない。
しゃぶしゃぶ、カニ、焼きそばにシューマイに餃子、のり巻き、いなり寿司、蕎麦、スパゲティにグラタンと和洋中華なんでもありありなのだが、それを一人で席に座って一人で取りに行って一人で食べてはまた一人で取りに行くというのは、実に孤独な作業である。淋しい・・・。ちっとも楽しくない・・・。
おまけにこまったことに、ここの一番人気はカニなんである。オレは背負い蟹でカニはだめなのだ。
みんな楽しそうにカニを皿に山盛り乗せてとってきては、おいしそうに食べている。
.いいなぁ・・・。さびしい・・・。
.後半戦になってくると取ってくるのはしゃぶしゃぶオンリーのオレ。でもしゃぶしゃぶは、1回につき小皿にほんの三、四枚しか盛ってくれないもんで、さっきからもう何度も何度も席を立ってはしゃぶしゃぶを取りに行き、それを急いで食べてはまた席を立ってしゃぶしゃぶを取りに行くのくりかえし。
さびしい・・・。ちっともおいしくない・・・。
孤独とはまさにこのことをいうのではないか。
二時間以上も待たされて入ったってぇのに、オレはわずか三十分ほどで、品川プリンスホテルを出たのであった。
食べ放題は一人でいってはいけない。 (2002.7)