
モバイルご隠居の 『どぬどぬマシンのひとりごと』
◎ 妻入院
成人の日も過ぎた、日曜の午後に最寄りの救急診療に行ったら即入院といわれた 。
近所に日曜も開いている診療所があるので、薬をもらって寝てれば直る、位に構 えていたのだが、あいにくの休診で少し離れた病院へ行った。すると、痛みに耐えか ねてのたうち回る旦那と、元気そうな奥さんという、ありがちな救急病院の待合室の 風景があった。それに引き替え我々二人は、どちらが患者とも見分けがつかず、ずい ぶんと居心地の悪い思いをした。
ところが診察が終わってみると、彼らはにこやかな顔をして出てきた。どうやら 旦那の鎖骨にひびが入っていたようだ。日曜の午後に夫婦でプロレスごっこにでも興 じていたのだろうか。
いよいよ次はうちの奥さんである。待つことしばらく、「家族の方〜」と呼ばれ て診察室に入ると、「点滴3本で8時間くらいだから泊まりね」と、先生のお言葉。
はいはい、泊まりね、了解!
えっ入院?x¥@今から?!
物心ついて以来、家人が入院するなどという経験が無かったので、何をすべきか 皆目見当がつかない。まずは今まで見舞いに行った病院の様子を思い出す。歯ブラシ 、時計、タオル...
そうだ、病院とはいえ、結局は泊まりの準備をすれいば十分なはず。懐中電灯に 乾燥対策のクリーム類、ブラシにティッシュもいるよね。そうそう、ペンとノートも あるといいよね。これらに読みかけとおぼしき本を一纏めにし、トートバックに詰め込んだ。
そんな荷物を持って1時間ほど前に別れた病室へ戻ると、入り口にはちゃんと名札 が。そして病室を覗くと、点滴をされ病人然とした妻が横たわっていた。さっき は部屋着のままベッドの端に腰掛けて不安げな顔だったのに、私が家に帰っていた束 の間に病人に変身していた。外務省流に云うと「カフカだよこれは」と、いったところ か。
翌日は朝から胃カメラなど、一通りの検査をし、急性胃炎と云うことであった。
結局のところ4泊5日で6万円という、まるで3連休に無理矢理前後2日休んで行った グアム旅行のようなお金が、一瞬にして病院の邪魔くさそうに札を数える会計係の 手に吸い取られていった。
おまけに入っていた生命保険の契約が古かったのか、5泊目からしか給付金が払 われず、全額持ち出しとなった。
大した話にならず一安心ではあるが、未だに彼女は毎食後、就寝前の薬付けの身 である。無理なストレスとは戦わず、胃は大切にしよう。