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 モバイルご隠居の 『どぬどぬマシンのひとりごと』

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    ◎ おじさんコンサート事情(その1)

 最近、久しぶりコンサートに出掛けた。  KingCrimsonとは、最近の20代の人々は多分ほとんど知らないと思うが、その昔BeatlesのAbbieRoadをUKのアルバムチャートで抑えてトップに輝いたデビューアルバムThe Cort of CrimsonKingを出した、ロバートフィリップ率いるプログレッシブロックの雄である。  私の彼らに対する思い出は、今から約20年前の1970年代後半に遡る。当時は、ABBAが全盛で映画サタディナイトフィーバーが売れていた。その頃ディスコに出入り出来る年齢ではなかったのだが、Eagles、Billy Joel、POLICEなどのアルバムが出たといっては、友人と持ち回りでLPレコードを購入し、自ら購入しなかったレコードは各自カセットに録音して聞き込んでいた。SonyからWalkmanが発売されたのもこの頃である。(そんな物が出る前から同じくSonyの「カセットでんすけ」という野外録音用の器材を学校の放送室から拝借してお気に入りのテープを流したりしていたのだが)  その頃、一種の通過儀礼のように同級生達はBeatles派、RollingStones派と分かれて古いレコードを漁っていたのだが、なぜか私はそこでKingCrimsonに出会ってしまった。他では味わえない、あの変拍子、ロバートフィリップの正確なギターワーク、そしてYMO以前の電子音楽。私には新鮮な驚きだらけで、彼らの独特な世界に引き込まれていった。  その内に新生KingCrimsonが結成され、来日することになった。私は学校の帰りに急いでUDO音楽事務所までチケットを買いに走った。そして友人達と3人で体験できることになっていた。(ここからが悲劇の始まり)滅多に風邪など引かない私なのだが、運悪くコンサート当日に熱を出してしまったのだ。しかも友人の分も合わせてチケットは私が持っていた。お互い学校の帰りに会場の側の地下鉄の駅で待ち合わせだったので、(今なら携帯メール一本で家に取りに来てもらう所だが、当時は家の電話がプッシュフォンであることすら珍しかった)彼らとは連絡も取れず、かといって熱で学校を休んだ身で遊びに出掛けるほどの勇気も無く、その日は暮れていった。  その夜のうちに彼から電話はなかった。その後、彼らとはコンサートに出掛ける毎にこの時のことをからかわれる運命になる。しかし、私だってコンサートには行きたかったのだ。  そんな20年来の思いを抱いて雨の降る日曜の夕方、私は独りで中野サンプラザへ向かった。中野駅を降りると、近所の買い物客に混じって私と同年代かもう少し上の、ちょっと変ったおじさん2人組や、カップルがあの三角形に向かって歩いていた。主催者側の手違いからか、ステージサイド前から3列目の席に案内されて大感激。あの夢にまで見たロバートフィリップが、雑誌で何度も見たようにちゃんと椅子に腰掛けてギターを爪弾いていた。2度のアンコールを含めきっちり2時間、楽しませて頂きました。それにしても当時と変らぬ新鮮な電子音、デジタルミュージックが氾濫してもやはり彼らの音は唯一無二。  20年も前の思い出を発掘しつつ、おじさんパワーを実感した夕べでした。私も彼らのように齢を重ねるべく頑張らねば。

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