ペリー荻野のTVコラム 『注目のヒト』
◎ 今週の注目 秋野太作
俳優には、というか、テレビに出る人間には二種類あると思う。
すなわち、「年をとるか、とらないか」
何でこんなことを言い出したかといえば、先日、「オヤジ探偵」というドラマに主演する中村雅俊が、「このタイトルがショックだった」みたいな発言をしていたからだ。
つまり、中村雅俊は、自分を「オヤジ」と思ってないってことだな。たしかに風貌もほとんど昔と変わってない。「徹子の部屋」でも徹子に「今日のゲストは、理想の兄、理想の夫、としておなじみの中村雅俊さんでーす」と言われていた。世の中の認知もそういうポジションだろう。「オヤジ探偵」でも、遠藤久美子の父親ではあるが、妻は亡く、独身。ちょっと前の時代劇「しくじり鏡三郎」でも、娘(黒須麻耶)とふたり暮しの独身武士だった。到底、オヤジ、オッサンのイメージではないのである。
では、本日の本題の「秋野太作」はどうなのか?
かつて、「俺たちの旅」では、中村雅俊、田中健とともに、「等身大の青春ドラマ」の主役となった秋野太作。当時の役では、中村・田中コンビの少し先輩ではあったが、まあ、同年代である。
その「俺たちの旅」から四半世紀。ずーっと同じポジションの中村に対して、秋野太作は、「年相応路線」を突き進んでいる。
最近の「お米券」のCM。髪も白く、顔もたるんだ秋野太作は、何やら感動的な映画「贈り物」(もちろん邦画)の看板に引かれて、窓口で「贈り物一枚」というと、窓口嬢の中江有里が、そっと、お米券を差し出す…。これはもう、初老の男の哀愁なくしては、できないシチュエーション。そういえば、中村雅俊のテレビ版「夜逃げ屋本舗」でも、秋野太作は、借金に追い詰められたオヤジであった。半世紀後の共演が、片方は万年青年、片方はオヤジ一直線。不思議な光景であった。
だが、私は秋野太作が悪いとは思わない。
去年、「秋の大作」というモロ駄洒落の映画の広告で、ウサギのかぶりものをしていた秋野太作を見て、「大丈夫だ」と思った。何がどう大丈夫なのか、私に説明しろといわれても困るが、とりあえず、いいのである。
万年青年もいい。年相応もいい。心配なのは、田中健か。どっちなんだ、健は。