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 ペリー荻野のTVコラム 『注目のヒト』

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 ◎ 今週の注目 田辺誠一

 ほとんどの人が気づいていると思うが、田辺誠一は「ヘン」である。というか、好んで「ヘン」な方向に行こうとしているとしか、思えない。
 例の野村の「金田一シリーズ」CMでは、「問題は・・・低金利・・・うーん・・・」と、もじゃもじゃ頭を掻くばかり。若尾文子に「それは国民みんなの悩みですよ」とクギを刺される始末だ。ドラマでも「恋の奇跡」で、肥満した葉月里緒菜を改造する謎の医師、「月下の棋士」では不敵な天才棋士、そして最近では「フードファイト」の、いつでもどこでもブレザー姿、声が上ずったおぼっちゃん。役の幅が広いというより、「こういう役が好きなんじゃないか」と思える。
 さらに私は最近、WOWOWで連作されている田辺主演の「怪」最新作の試写を見た。これは京極夏彦原作の時代劇で、田辺は、怪しい術で相手を翻弄し、悪を退治する旅の御札売り。なんだかよくわからないやつである。セリフも妙にべらんめえ。モデル出身で、その気になればちゃらちゃらした恋愛ドラマでいい男路線を突っ走れるはずの男前が、なぜ、わざわざこっちの方向に・・・。
 しかし、世に言う「いい男」が「ヘン」に行くのは、田辺が元祖ではない。かの阿部寛も、いまや「ヘンだけ」を貫く男である。ピップエレキバンやクルマのCM。放送中の「トリック」もいい味だ。そうそう阿部寛も「天晴れ夜十郎」(NHK)でSF時代劇に主演していた。さらに遡れば、草刈正雄だっている。資生堂のCMで大人気だった草刈正雄は、藤竜也とのハンサム刑事ドラマなど一応、二枚目路線をやったが、次に見た時は「鞍馬天狗」になっていた。黒覆面の天狗のおじさんとは、すごい転身だ。以降、「ヘン」に対して吹っ切れたのか、今は朝ドラの「私の青空」のやけにテンションの高いおじさん役も、楽しそうだ。
 人間、あんまり「いい男」と言われ続けると、「違う道」に行きたくなるのかもしれない。「田辺の次は何か」怪優好きの私は、期待している。

 

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