
ペリー荻野のTVコラム 『注目のヒト』
◎ 今週の注目 西田健
この原稿を書いていると、つくづく「不思議だ」と思うことがあるが、今日もそうだ。
私が「西田健について書こう」と思って、ふとテレビをつけたら、なんとそこに「悪徳坊主に扮したハゲヅラの西田健」その人が映っていたのである。連続ドラマの主役というならともかく、古い番組のしかも時代劇の悪役ゲストだった西田健に、真昼間、バッチリチャンネルを合わせてしまうとは。素直に喜べない私の日常生活である。
番組は「暁に斬る!」。主演は北大路欣也なのだが、私がちょうどチャンネルを合わせた瞬間は、西田健は奥女中風の美女のおっぱいをなでていたのであった。
最近では、二時間ドラマでは欠かせない俳優のひとりである西田健。いかりや長介主演の「取調室」シリーズなんかでは、れっきとした刑事役なのに、どこか犯人のような雰囲気を漂わせていた。でも、たいていは限りなく怪しいけど、真犯人じゃないのだ。
しかし、私と西田健の出会いは、もっともっと古い。それは1973年の「アイフル大作戦」で、小川真由美や谷隼人、松岡きっこらの後ろでにっこりしていた若手、それが西田健だったのだ。当時の西田健について覚えていることは少ないが、深い横わけで斜めに長く前髪をたらすヘアスタイルだけは印象的だった。当時の私にとって、近藤正臣、原田大二郎、西田健は「三大横わけ男」だった。次点で川口厚を入れてもいい。二十一世紀にもなって、その西田健のハゲヅラを見る。感慨もひとしおだが、そこで終わる西田健ではない。
最近の西田健の活躍の場は、日曜朝の「忍風戦隊ハリケンジャー」の忍術先生である。
この先生、宇宙忍者に襲われたとき、とっさにハムスターに変身して身を守ったのだが、そのまま元に戻らないのである。結局、その姿のままハリケンジャーたちに「行け、行くのだ」とか「まだまだじゃな」とか指示を出す。ハムスターにアフレコしてるって。これって、「スチュワートリトルにアフレコするのとは、わけが違うってともんだろう。
坊主からハムスターまで。西田健の芸域は広い。
(2002.9)