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 ペリー荻野のTVコラム 『注目のヒト』

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 ◎ 今週の注目 風間杜夫

 こういうのを虫が知らせたというのかどうかわからないが、とにかくそのときには「これは保存しなければ」と思ったのである。
今から二十年前。私はバイトしていたラジオ局の片隅に放置された「風間杜夫」のLP『キッス・ミー』を見つけたのだ。ひょっとするとそれは誰かが何かの目的で、ゴミ箱の横に立てかけてあったのかもしれない。でも、私の脳みそは即座に「これは捨てられたのだ」と判断し、「捨てていいのか」と自分に問いかけ、「保存すべし」と結論を出したのである。
 そして、時が流れ、こうして深夜ひとり杜夫のことを考えている。なんという因縁だろうか。しかも、私は悩んで持ち出したわりには一度もそのLPを最後まで聴いたことがないのである。失礼にもほどがある態度だ。
 世の中では風間杜夫というと、「スチュワーデス物語」の堀ちえみと堂々と渡り合うベタな演技で有名だが、私にとってはやはり時代劇の「暴れ九庵」と「銭形平次」だ。
そのことはほかのコラムで散々書いているのでここでは割愛するが、ひとつだけ言っておくと「銭形」の主題歌は杜夫の熱唱で、およそ時代劇とは関係ない甘々フォーク調のラブソングだった。おそらくLPにはそういう曲がぎっしりに違いない。
 そういうわけで私にとってはすごく偏った杜夫像しかなかったのだが、最近、ちょっと見方がかわったのである。現在、テレビ朝日の午後三時のサスペンスの再放送は、「土ワイ二十五周年傑作選」と銘打って、ひそかに盛り上げようとしている。その第一回はおなじみ愛川欽也の亀さん、三橋達也の十津川警部の「終着駅殺人事件」だったのだが、その犯人が、若き日の杜夫だった。追い詰められ、走って逃げるマッシュルームカットの杜夫。迫真の演技だ。そっかー、がんばってたんだなーと思った翌日、「傑作選その2」今度は「善人たちの夜・ニセ花嫁作戦」で、またまた杜夫が登場しているのである。そうだったのか。杜夫は傑作選の男だったのか。知らなかった。
 それとは別に、少し前、私は風間杜夫と長年の友人という人から「風間杜夫の第一印象」を聞いたことがある。それはたったひとこと。
「声がよく裏返る人」
さすがの答えだ。私はまだまだ杜夫のことを何にも知らない。意味なく反省する日々である。
 (2002.7)

  

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